小野寺工業のチャレンジ

幾多の障壁を乗り越えて新事業開発に取り組む、メンバーとコンサルタントが織りなすドラマです

市場戦略

[ 総まとめ ] オファリングモデルを活かした事業運営(1/5)

l オファリングモデルは単なるセット販売ではない オファリングモデルの説明をすると「うちでも似たようなことはやっています」という反応が返ってくることがある。詳しく聞くと、そこには「オファリングモデル≒セット販売」という勘違いがあった。 はっきり…

リーンスタートアップで、顧客の体験に基づいた反応をタイムリーに手に入れる

戦略的パートナーへの第一歩がスタートした。アポロマシナリー側のプロダクトマネジメントチームとの議論は順調に回り始めた。 ところが、ここにきて足を引っ張る存在が現れた。それは小野寺工業の社内にいた。ベース機開発を担っていた事業部だ。 笠間たち…

顧客との間で戦略的パートナーの関係を築き、RFPの前に自分たちの強み(=選ばれる理由)を刷り込め

季節は夏に近づいていた。新体制が発足してすでに3ヶ月が経過していた。 笠間たちOBFコアチームの活動は、計画から計画の実行に移り、そろそろ実績につながるきっかけくらいは出てきてほしい時期に差し掛かっていた。 新組織が発足する少し前あたり、事業計…

新しい事業を立ち上げるには既存顧客を狙っていたのではダメ! マーケットセグメンテーションから始めてターゲットを絞り込もう

笠間たちは海外の情報を収集し、大型工作機メーカー、装置メーカー、構成機器メーカーといった大型工作機の提供側とそれを購入する側にどんなプレイヤがいるのかを調査した。笠間と浦田は、以前に大雑把な議論をしたことはあったが、情報収集するのはこれが…

なぜ選ばれるのか? 誰に選ばれるのか? 企業にはこの問い掛けが特に大切だ

ソリューション型を目指すことは決まった。 しかし、これは「どうやって海外事業を立ち上げるのか」の答えにはなっていない。 自分たちの競合相手になるのは、マーケットインのソリューション型で戦ってきている強敵たちだ。世界的には風変わりでしかない、…

御用聞きでは世界に通用しない! 顧客を観察し、顧客の要求を射止めたソリューションで勝負する

「どうやって海外事業を立ち上げるのか」 笠間たちコアチームのメンバーは、この難題に正面から向き合うことを決めた。 その手始めに、事業方針をざっくりと固めることになった。 小野寺工業の社員たちは顧客の要求に応えるリアクティブな活動に慣れ切ってい…

最初に大切なのは、状況を大きくとらえて事業のイメージを固めることだ

笠間は事業立ち上げに着手したが、それは雲をつかむような話だった。Push型、Pull型の話も内容としては理解できたが、それを実現しようとするとイメージがわいてこなかった。 浦田は笠間からの相談を受け、彼なりの事業立ち上げイメージを説明した。根底には…

事業運営のスタイルをPull型からPush型に切り替え、攻めに転じる

大島は、こんなこともあろうかと予備予算を確保していた。浦田は、この予算でOBFの支援を引き受けることになった。 コンサルタントが顧客に受け入れられるのは簡単ではない。特に日本の製造業はよそ者には閉鎖的だ。いきなり「ああしろ、こうしろ」とやった…

系列崩壊の時代に日本企業はどう動くべきか

近畿工作機は生き残りを賭け、系列会社の切り捨てに手を付けた。 これまでのように無条件に系列会社に発注することはなくなり、系列外の装置メーカーや海外メーカーにまでRFPを出し、提案を求めるようになった。小野寺工業が近畿工作機の案件をはじめて失注…